医師の皆様に対して、皆様自身が医師として有意義な人生を送っていただくための相談や勉強会、交流会、情報提供などを目的としたコミュニティです。

埼玉東部循環器病院 心臓外科 北川彰信先生

北川彰信先生のご経歴

1998年に日本医科大学を卒業し、大学附属病院にて初期研修を行う。その後、栃木県南病院や国立循環器病センターなどの症例数の多い環境にて消化器外科、心臓血管外科として3年間勤務。
その後、より心臓血管外科を学びたいと考え、カナダのトロント大学にて留学。日本に帰国してから八王子医療センターにて麻酔科の経験を積み、現在埼玉東部循環器病院にて心臓血管外科として勤務。

先生が専攻を決められたきっかけ

何でも出来る医者を目指していた。特に外科的な事と集中治療に興味があったので、脳外科、心臓外科、救命救急科を考えていた。ハードな環境でトレーニングしておけば、将来専攻を変えることがあっても、トレーニングで身についたことは十分に生かせる。先輩医師の話を聞き、研修病院に見学へ行き、なりたい自分の理想像をかためていった。循環器が自分に合うと考え、心臓血管外科を選択した。
自分がトレーニングしていた時代は医療ミスが報道で大きく取り上げられた時期で、若手医師に与えられるケースは限られていた。自分の技術が高まらないことに悩み、海外留学しトレーニングすることを選んだが、そのハードルは高く望んだことはできたとは言い難い。現在は小規模の病院で外科は指導医と二人体制にあり、トレーニングに励んでいる。

これまでのご自身のキャリアを振り返っていかがですか?

研修医時代に学んだ全身管理に興味があり、時間を作り標榜医を獲得した。麻酔と循環両方に精通しているというのが、自分のセールスポイントだと思っている。「目の前の患者をとりあえず死なせない」という自信と信念は、積極的な治療を可能とする。これらは救命センターや集中治療室でほぼ毎日寝泊りし、様々なケースの治療に参加したことが大きい。実際、診断・治療のための様々な手技はこのときに獲得した。外科研修でその他の施設に移った時も、外科としては未熟者であったが、救命治療や集中治療の分野で信頼される存在であれたことはとても大きかった。指導者と良好な関係を保てれば、それだけ与えられる経験は増え、己の成長につながる。その他、患者様や先輩・同僚の医師、看護師等コメディカルの方々のとの雑談の中にも、医師として働く上でのヒントが散りばめられていた。

医学生や若手医師に向けてメッセージを

「医師」を職業としたことを再確認すること
医師は医学生の延長ではない。自らの判断で患者に命を奪えうる職業であることを忘れてはならない。
教えられたことを覚えるのではなく、実際に治療に活用しなくてはならない。また同時に、「医師」はお客様である患者様に「医療サービス」を提供する職業である。食事を提供する「フードサービス」と同様の職業だ。お客様に満足を与えることが、職業として大前提である。
また、ほぼ一生を捧げる職業である以上、私生活も考慮する必要がある若い時こそ仕事に没頭するべきであるとは思うが、年齢とともに無理は効かなくなるし、家族もできれば当然自由度は減少する。自分が何をしたいのか、どのような生活を送りたいのかよく考え、覚悟を決めよう。「興味ある」だけで仕事を選んではいけない。経験を高める若いときにはなるべく経験を。見聞きしただけの経験も、どこにで役に立つか分からない。また、それらの経験に知識の裏付けをすること。EBMが叫ばれる昨今。経験に基づくの治療の多くは否定されている。最低でも最新の教科書、自分の分野の論文を読み、その領域のスタンダードな知識は得ること。最近は自らの疾患に医師より詳しい患者など珍しくない。医師は3-4年で基礎を作り、続く6年間で専門性を高め、10年で一人前という。
つまり最初の10年で蓄えたことで一生食べてゆく。スタートのかけ方で能力が決まると言っても過言ではない。理不尽で納得いかない事も多くあるだろうが、大事な経験には違いない。遠回りはマイナスではなく、むしろ能力を高めるものだと思う。
 
大学医局を選ぶか、自ら研修プランを決めるか・・・これは初めて行く海外旅行を、おまかせパックツアーにするのか、完全個人旅行にするのか似ていると思う。安全で自由度なく、時には他のツアー客に遠慮することもある旅か、あるいはリスクをすべて引き受けるが、自由度の高い旅か。いろんな人と相談し、各医局・施設を徹底的に調べ上げ、どちらがいいか考えてほしい。覚悟を決め、納得の行く旅を
Good luck!

医師キャリ事務局より

北川先生はインタビューを受ける際、自分は古い人間なので学生さんに参考にならないかもしれない、と漏らしておられました。確かに若いときとはいえ、月半分は病院で泊まり勤務というのは今の研修医の皆様にとってはハード過ぎるのかもしれません。ただハードな環境に身を置くことでその後の人生を充実させることが出来るということは大いにあり、そのことは若手医師の皆様にぜひ知っていただきたいことではありました。

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